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高畑耕治
高畑耕治

2018年02月03日

「風土記」の浦島伝説

風土記の逸文の浦島伝説は魅力的でした。

「釈日本紀」巻十二「浦嶋子」。(亀ヒメとの約束を忘れウラシマが開けてしまったとき、肉体が年老いたのではなく、玉手)箱に封じ込められていた亀ヒメの魂が飛んで常世に帰って行ってしまった。
そして、恋しさに我慢できず、ヒメと歌を詠みかわした一首に、
神の乙女の遥かからの「私を忘れないで」との歌に返し

子らに恋ひ 朝戸(あさと)を開き 吾(わ)がおれば 常世(とこよ)の浜の 浪の音(と)聞こゆ

あなたを恋い慕い、朝の戸を開けて私がいると、あなたがいる常世の浜の浪の音がここにまで聞こえて来る
(角川ソフィア文庫「風土記」下)

常陸国風土記 (角川ソフィア上、中村啓信他)。
童子女(わらわ)松原。
恋の募る想いが歌垣の日に偶然かない喜びにすっかり夜の明けるのを忘れたふたり。朝陽にどうしてよいかわからなくなり、人に見られることが恥ずかしくて二本の松の樹になってしまった。
ギリシア神話のように美しい変身譚です。

勉強と思い読んだ「日本書紀」には、残忍な人物、雄略天皇や武烈天皇が、始皇帝、ネロに劣らぬ悪の限りを尽していたことが記されていて、現代の愚かな首相の愚行に接するような殺伐とした気持ちになりますが、美しい古典、人間の心を表現した文学に救われる思いがします。
  
タグ :風土記


  • Posted by 高畑耕治 at 23:51エッセイ

    2018年02月03日

    古代歌謡 ヌナカワヒメとスセリヒメのうた

    「古事記歌謡」 「日本書紀歌謡」
    (大久保正全訳注、講談社学術文庫)
    併読しました。本居宣長などこれまでの訓読、解釈も要所に挙げられ良い本です。
    古代歌謡を読み返して学んだこと。
    「古事記」のみにある神話のうた、ヤチホコノカミとヌナカワヒメ、彼とスセリヒメの、愛の唱和、それぞれのヒメのうたが美しく良い。
    初めて読んだ時から変わらずに好きなうたです。

    また、「日本書紀」のみにある万葉時代初期とかさなる時代のうた、聖徳太子の行倒れひとへのうたが良い。
    フヒトミツと、斉明天皇と、ナカツオオエミコの、それぞれの挽歌が、心に響く。
    和歌がうまれた源にある良いうただと感じました。

    ヌナカワヒメとスセリヒメのうたは、若い頃初めて知った時から変わらずに好きですが、次のことを知りました。

    「古事記」 (西宮一民校注、新潮古典集成)の注で、出雲神話が源にあることがふれられています。
    「風土記」 (角川ソフィア文庫)の出雲風土記に、確かに沼河(ヌナカワ)ヒメの名があって、ヤチホコノカミ(オオクニヌシ)との愛の唱和のうたは、出雲神話に源があるのだと知りました。
    大和王権に支配される前の出雲にはとても古く豊かな神話、信仰が息づいていたのだと短く記された風土記の言葉に思います。出雲は独自の神話の世界に繋がっていますが、その他の各地の風土記にも、大和王権に政治的に支配されるずっと前から、各地に根ざした世界観、信仰、文化、生活があったのだと教えられます。

    万葉集の、東歌、防人の歌、各地の歌謡、作者未詳歌をより深く感じとりたいので風土記に学びたいと思います。

    沼河(ヌナカワ)ヒメ。美しい彼女の歌を。

    白き腕(ただむき) あわ雪の 若やる胸を そだたき たたきまながり ま玉手(たまで) 玉手さし枕(ま)き 股長(ももなが)に 寝(い)はなさまむを あやに な恋ひ聞こし ヤチホコノ 神の命(ミコト)「あわ雪」の比喩がとても美しいヌナカワヒメのうたです。
    (西宮一民訳)
    白い私の腕を あわ雪のような 若やいでいる私の胸を たっぷり愛撫し かわいがり 私の玉のように美しい手を枕にし 脚をのばして お眠りなさいましょうから むやみに 恋しがって 仰せられますな ヤチホコノ 神様よ

    「記紀」巻頭のイザナギ、イザナミのミコトの国生み神話も、古事記のヌナカワヒメ、スセリヒメの民謡にねざす歌謡も、産むこと、性愛にストリートで人間を感じ私は好きです。

    それに続く人の世の記述のほとんどは、戦争と政争と殺戮と差別だらけで軍歌まじりの歌謡も好きになれず、よいと感じません。
    ヤマトタケルの英雄譚では自己犠牲に海に沈む姫にこころ痛みますが、人を騙して平然と殺す征伐者タケルの物語は良いとは感じません。
    日本の神話を歴史事実と盲信したり、国家の政略の具とするのは愚かさでしかありません。
    伝えられた文化を歪め損なうのではなく、受けとり生かしたいと願います。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:50エッセイ

    2018年02月03日

    ベートーヴェンのピアノソナタ、弦楽四重奏

    二十歳まえからクラシックはピアノばかり聴いてきましたが、ヴァイオリンの音色と響きの美しさを今になって感じとれるようになりました。
    ヴァイオリンの協奏曲でメンデルスゾーンは比類ない曲のように思えます。ャイコフスキーも。

    ベートーヴェンも「悲愴」や「月光」や小曲がいまも好きですが、ヴァイオリン協奏曲、ロマンスもとても美しく、好きになりました。

    室内楽は扉を開けずにきてしまいましたが、ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲の15番は、教会音楽に近しい心の奥底に谺する音楽を感じて、とても好きになりました。年齢が彼の晩年に近づいたこともあるように思います。良い作品を生み出したいと心から思います。弦楽四重奏をもっと聴きたいと願いつつ。

    ベートーヴェンは57年くらいの生涯で、とても多作だったことをしりました。意外でしたが歌曲、声楽曲などあらゆるジャンルで。
    生活のための曲もあるにしても、創らずにいられなかったのだろうと思います。
    創作に生きたいと願う一人として励まされました。気に入ってもらえる曲は聴き手さまざまでよくて。

    ベートーヴェンの後期のピアノソナタ5作品を繰り返し聴いています。
    はじめは長く複雑でちかづきがたくも思えていたけれど、繰り返し聴くうちになんだか心になじみしっくりしてきて、じっと見ているうちに光がみえてくる夜空の天の川のように、かがやきが感じとれてきて、好きになりました。
    エリーゼのためにや初期ピアノソナタの悲愴や月光の、優しくシンプルな美しい旋律が生まれたこころが、生きることの苦渋、濁流にまみれながらも、枯れずに流れてきたからこそ響きだした音楽だと、最後の数曲のピアノソナタも聞こえだしてきました。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:48エッセイ

    2018年02月03日

    「日本国憲法」前文

    「日本国憲法」
    (憲法会議編、本の泉社)。

    第11条 この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。第12条この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。

    「日本国憲法」前文
    日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

    政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

    8月15日。
    敗戦記念日。
    おおくのかたが亡くなりすぎた。
    永久終戦祈念日。


      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:47エッセイ

    2018年02月03日

    世界の人権宣言と日本国憲法

    「人権宣言集」
    (高木八尺ほか訳、岩波文庫)。

    イギリス権利請願、権利章典、
    アメリカ独立宣言、
    フランス人権宣言、
    各国憲法の人権宣言での、奴隷制廃止、
    男女同権、
    普通選挙の権利獲得の歴史。
    プロレタリアート独裁(崩壊の要因)、
    植民地支配からの独立宣言。
    大日本帝国憲法と日本国憲法。
    国際連合での「世界人権宣言」。

    日本国憲法の第三章「国民の権利及び義務」は、
    世界の歴史を通し歴史に学んで得られた権利だということを、身にしみて思う。多

    多くの人ひとりひとりの試行錯誤と過ちと苦闘と痛みの果てになんとかここまで得られた権利だと。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:45エッセイ

    2018年02月03日

    ルソー「社会契約論」、ロック「統治論」、アリストテレス「アテナイの国政」「政治学」

    アリストテレス「政治学」
    (牛田徳子訳、京都大学学術出版会)。
    歴史としてあった事実を豊富に拾いあげて冷徹に捉え考察している。王制、貴族制、民主制。独裁の要因、防ぐための方策、陶片追放、奴隷制。人間のせめぎあいは現代も変わらないと思う。

    アリストテレス「アテナイの国政」
    (村川堅太郎訳、岩波文庫)。
    紀元前のギリシアの民主政治。独裁者の芽をつみ、より公正であるための法制。
    国会も司法も行政も歪められ軋む今の日本で。
    民主的な、法による社会を守り育てよりましによりよくするのは市民の意思と言論と努力だと、教えられます。

    ロック「統治論」
    (宮川透訳、中公クラシックス)。
    17世紀イギリス、王権神授説を否定し、自然状態、自然法、立法権の主張。市民社会、アメリカ独立宣言、人権宣言の礎となった。立法(国会)を最高機関とし行政のデタラメさへの抵抗権の考察は今も変わらないと共感する。

    ルソー「社会契約論」
    (桑原武夫ほか共訳、岩波文庫)。
    奴隷制を明確に否定していて共感する。(ただし女性にはふれていない)。フランス人権宣言、共和国憲法が、主権者の一般意思は立法・国会にしかないと、彼の言葉を根幹にしていることにも、影響の深さを改めて考える。   


  • Posted by 高畑耕治 at 23:44エッセイ

    2018年02月03日

    カント 「「永遠平和のために」

    「永遠平和のために」
    (カント著、宇都宮芳明訳、岩波文庫)P88

    「国家戦略をこととするひとびとは、実践を誇りとするが、実はかれらがかかわりあっているのはさまざまな策略であって、→かれらが思案をめぐらしているのは、ただ次のこと、つまり現在支配している権力におもねって(自分たちの私的な利益を失わないために)、国民や、できれば全世界をも犠牲にするということ」
    まるで今の政権与党の描写のようです。

    P91「(略)連中が、不正がひとびとの眼にあまりにも明らかでないかと恥ずかしがる、といった事態も生じない。というのも、強大な権力の所有者たちは、一般大衆の判断に対して恥じたりはしないし、恥じるとすれば、ほかの権力者に対してだけ(略)、かれらに残されているのはいつも政治的な名誉であって、(略)どのような仕方で獲得されるにせよ、かれらの権力の増大という名誉でしかないからである。」

    カントは共和制が平和のためにかかせないと言います。
    日本に危うくもまだ見掛けでは残されている立憲主義、民主主義です。なぜなら

    P33「戦争をすべきかどうかを決定するために、国民の賛同が必要となる(略)場合に、国民は戦争のあらゆる苦難を自分自身に背負いこむ(たとえば、自分で戦う、自分自身の財産から戦費を出す、戦争が残した荒廃をやっとの思いで復旧する、(略)決して完済にいたらない負債を自分に引き受ける、など)の覚悟をしなければならないから(国民が戦争という)こうした割に合わない賭け事をはじめることにきわめて慎重になるのは、あまりにも当然のことなのである。」

    だから彼は共和制が平和のためにかかせないと言います。日本に危うくも形は残されている立憲民主主義です。

    平和状態は、創設されなければならない。」P27

    憲法を軽んじる発言をする者、法を歪めて恥じない者、戦争を容認する考えを持つ者、権力におもねり私的な利益のために国民を犠牲にする者たちを、議員にしてはいけないと私は思います。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:42エッセイ

    2018年02月03日

    古代懐疑哲学 セクストス・エンペイリコス

    「学者たちへの論駁3」 セクストス・エンペイリコス
    (金山弥平・万里子訳、京大学術出版会)。
    古代懐疑哲学の著者の主著4冊を、20年間かけた金山夫妻の訳業は素晴らしく尊敬します。
    彼の主著も訳されていて私は読み手元に置いています。
    「論駁3」は自然哲学、倫理哲学が主題で、神、空間時間、生成消滅、善悪と生き方で独断論に立ち向います。

    懐疑主義哲学は独断論、ドグマティズムを排してわからないことはわからないと判断保留し、生き方の上でも独断にとらわれた関与を避けます。原始仏教の釈尊の、執着を捨てて目指す涅槃の境地と、通い合うものを私は感じます。

    判断保留は、無責任な態度と誤解されがちですが、強制し押しつけ独断する態度よりも、よほど責任ある誠実な人、社会との関わり方だと私は考えます。セクストスも医者でもありながら著作しました。このことも著者の生きる姿勢を伝えているように思います。(ウィキペディアにも良い記事があります)。

    古代懐疑主義哲学は素朴に見えて根本的なこと、たとえば宇宙に果てはあるのかないのか、時間は有限か無限か、点、線、面、空間とはなにか。数千年たっても人間にはわからないことだらけだと、謙虚さを呼び覚ましてくれます。
    地球温暖化、核兵器、原発廃棄物処理、現代人の多くが独断的に傲慢です。   


  • Posted by 高畑耕治 at 23:40エッセイ

    2018年02月03日

    原始仏典。司馬遷「史記」列伝。草木国土悉皆成仏。

    原始仏典「神々との対話」「悪魔との対話」
    (ともに、中村元訳、岩波文庫)を読んでいます。仏陀の言葉、思索、行為は、とてもシンプルで素朴で純粋です。そのすべてを受け入れられなくても、生と死と世の中を、見つめたまなざしと生き方に、学びたいと願います。

    「尼僧の告白 テーリー・ガーター」(中村元訳、岩波文庫)。とてもこころに響きました。これまで読んだ仏典で一番いいと思うくらいに。宗教性、仏教の本質を教えてくれて、考えさせられます。

    司馬遷の「史記」の列伝、ギリシア悲劇、日本の世阿弥などによる能の謡曲。
    人間、社会、善と悪、暴力と愛、戦争と平和、生き方、死生観。
    深い洞察と伝えようとする強い意思には時代を越える気迫があります。

    司馬遷の「史記」列伝
    戦争と侵略、謀略、一族皆殺しにあまりに満ちていて、ペシミズムが深まりながらも、なぜか気力がでる気がするのは、絶望の手前でも果てるまで生きぬく人間がいることを教えられるから。司馬遷は書く。どうしようもないやつらがいる。書き留め伝えたい人間がいる。

    能の謡曲集、修羅物作品「巴」。
    「御法の功力に、草木国土も、成仏なれば、」
    (訳 仏法のお力によって、草や木など非情の物も、成仏するのだから、)
    成句「草木国土悉皆成仏」草木国土悉ク皆成仏ス(止観私記・一本)
    この世界感、死生観はアイヌ・ユーカラのゆたかな森にも木魂し、好きです。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:39エッセイ

    2018年02月03日

    古代ギリシアの著作に思うこと。

    ギリシア哲学(自然学、政治学、倫理学)求めるものは真と偽。科学の源。倫理さえ独断、観想、傍観的な学説。哲学が生き様の異端哲人は際立つ。
    ギリシア文学(悲劇。詩)善と悪。運命・宿命と選択。美と醜。抒情。
    宗教と境界のない悲と苦と情を知る人間がいる。

    日々の囚われの時間が濁流のように息苦しいとき、古典の読書は、こころを空へ羽ばたかせ、辺りの景色を見渡し風を感じる自由を思い出させてくれます。最近読めて良かった古典。
    「ソクラテスの弁明」「クリトン」。ともに作者はプラトン。
    よく生きること、正義、社会、国家。考えさせられます。講談社学術文庫の訳が読みやすく思いました。

    プラトン「パイドン―魂の不死について」(岩田靖夫訳、岩波文庫)を久しぶりに少しずつ読み返しています。ピタゴラス哲学やオルフェウス教の影響をうけたといわれる輪廻転生やイデアについての言葉は、真理かどうか、信仰するかどうかの問いかけをはらみつつも、わたしの心には親しく感じられます。

    ソ「クラテス裁判」(ストーン著、永田康昭訳、法政大学出版局)を読みました。民主政と寡頭貴族政、都市国家間の同盟と戦争に揺れ動くアテーナイに生きたソクラテス、プラトンの、直接民主制、言論の自由に否定的で奴隷制や他都市の虐殺に無関心な氷のような横顔。幻滅し、生き方を考えさせられます。

    「ギリシア抒情詩選」(呉茂一訳)はテオクリトスの神話モチーフの牧歌詩がよい、豊かな森に誘い込まれる。
    「 花冠」(同)はサッポオ/サッフォーの「アプロディーテー禱歌」の祈りの美しい調べ。神聖で心に響く。
    「ピエリアの薔薇 」(沓掛良彦訳)アニュテーの鮮やかな情景詩に光と海と空を感じる

    ギリシア悲劇「トロイアの女」エウリピデス (松平千秋訳、ちくま文庫)。
    トロイア戦争に敗れた立場の女性、子どもの惨劇、戦争の悪を描く。
    紀元前416年当時のアテナイによるメロス島での住民の虐殺、奴隷化が作品創作動機。
    アイスキュロス「ペルシア人」の戦勝ギリシア賛歌とは視点が対極。良い作品。

    「ギリシア哲学者列伝」 (ディオゲネス・ラエルティオス、加来彰俊訳、岩波文庫上中下)。2千5百年から2千年ほど前の地中海世界。真善美を求めずにはいられない、感じ考える人の生きざまは、今も少しも変わらないと教えられ励まされます。時に奇行、変人、社会不適合者とみなされようと惹かれます。
    夜空の星を眺めて足元の溝に落っこちたタレス、樽を住居としたディオゲネス、豆を恐れたピュタゴラス。おかしみのある逸話に共感し、法による社会、民主的な社会をもとめ独裁者に態度と言葉で立ち向かい生き死んだ哲学者の姿にも教えられます。権力者と富におもねり埋没した人たちも描かれています。
      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:38エッセイ

    2018年02月03日

    ミュシャ展

    ミュシャ展に行けました。絵の向こうからこちらを凝視している女性の瞳が心に焼きつき深く考えさせられます。作品に平和への祈りを込めた絵描き、人間としての生き方にも。アールヌーヴォー作品の女性の姿、曲線もとても美しいです。
    平和を思い祈る心は、花を愛し優美な姿を絵に描きとめたいと願う心と、通いあう地下水から地にあふれだす泉だと、ミュシャに教えられます

    ミュシャのアールヌーヴォー時代の絵は、与謝野晶子の短歌雑誌・明星のデザインが影響を受けていたと伝わってきて親しく感じます。スラヴ叙事詩は作品サイズの大きさと完成までに注がれた十数年の歳月と、彼がナチスに迫害され亡くなっても今に伝わる人間をみつめる芸術作品であることに励まされます。

    時代・社会にはびころうとする権力・暴力は、人間性をおとしめる愚かさでしかありません。人間らしさを求めずにいられない文学・アートは、どんなに下劣な時代・社会であろうと、生まれ、伝えられてきました。人間らしさを軽んじるものは必ず滅びることを、人間の歴史が教えてくれています。

      


  • Posted by 高畑耕治 at 23:35エッセイ

    2018年02月03日

    新しい詩「子さぎ」をホームページに公開しました。

    ホームページ「愛のうたの絵ほん」に新しい詩の花が咲きました。
    詩の作品名を、ホームページの公開作品にリンクしています。

     「子さぎ」 (小さな詩)

    お読みくださるとうれしいです。


    ☆ 詩集です。

    詩集 『銀河、ふりしきる』  高畑耕治
    A5判、400ページ。393作品収録。カバー・章扉絵・渡邉裕美。発売イーフェニックス、税込540円。

    高畑耕治詩集「銀河、ふりしきる」 絵・渡邉裕美

    ☆ アマゾン
    詩集・銀河、ふりしきる 

    ☆ 書店、図書館
    書名 「銀河、ふりしきる」 
    ISBN 978-4-908112-17-1
    出版社 イーフェニックス
      
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  • Posted by 高畑耕治 at 10:52