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高畑耕治
高畑耕治

2012年05月17日

詩って、ほんとはなんだろ? (一)

少し間があいてしまいましたが、詩集を読み、考えていました。
 今回から、私が詩心を感じ感動する、好きな詩、読み返したい詩、逆に、詩を感じない、読むのが苦しい現代詩について、私なりの詩想を記していきます。

 初回は、私が詩を感じ感動する作品に必ず息づいている、詩の本質、詩になくてはならない大切なものだと私が感じてきて、今もそう考えている事柄をメモします。これから、書きながらより丁寧に感じとり、詩想を深めていきたいと願います。
 いわゆる現代詩、現代詩人を自称する作者の作品の多くは、これらのことがらを否定しひどいものは馬鹿にしているので、私はそこに詩を、文学としての魅力を感じることができません。詩界(というものが意味あるものならば)、そこでは、現代詩の愛好家が偏狭な詩観、特権を押しつけて、詩を貧しくしていると、私は感じてきました。正直に言うと、現代詩人どうしが与えあう仲間うちの賞の受賞作に、私が感動する詩はあまりありません。(ただし、現代詩というくくりは曖昧で、わたしが心から共感する詩を今、書かれている詩人はいらっしゃるので、全ていっしょくたにしてしまうのは愚かです。詩はあくまで一人きりの個性からの表現ですから。)。
現代詩人は、詩も進歩するものであるべきだと、現代社会のスピード変化と同期しなければならないと、見え隠れする信念を抱いていますが、私は詩は昔も今も変わらない、人としての心の表現だから、共感し感動するのだし、すべて進歩よしと押し付ける世の中にあって、進歩しないことが詩の生命だと考えています。表現の技巧の探究は芸術家として当然することだけれど、進歩ではありません。
誰もが裸の赤ん坊として産声をあげるように、詩もひとりの初めての産声です。進歩ではありません。
 私は現代詩がつまらなければ、もっと深い感動を与えてくれる古典を大切に感じとるほうが良いと思います。生きること、いのちを感じとれる感受性、心は、衰えてしまっているかもしれません。謙虚にみつめたほうが、よいと思います。

① 詩ってなに?
 こころのうた、感動の言葉による表現。ああ。

② なぜ書くのか?
書かずにはいられないから書いていること。
生きているから、生まれてきた感動があるから、伝えずにはいられない、核となる感動が源にあること。

③ なにを書くのか?
生きる意味を考え問いかけていること。
愛、おもいやり、人情があること。
センチメンタル、感情ゆたかであること。
社会批評性。ともに生きている人の声を、不正に折れず、発すること。

④ どのように書くのか?
言葉の意味を捨てていないこと。題詠でなく暗喩遊戯でないこと。
詩語も、詩句も、詩連も、詩そのもの、詩集構成全体の、つながり、断絶、流れの変化で、
詩を、心を、伝えようとしていること。
美しい言葉、響き、うたであること。
くりかえし、リズム、語の音、韻の繊細さ、強弱を感じとれる感性を持っていること。
言葉の歴史、文学の伝統を大切にしていること。文学が好き、和歌も、短歌も、俳句も、文楽も、言葉による心の表現に学んでいること。

 これらのことについて次回から、私が最近読むことができ、強く詩を感じ感動した、次の詩集の紹介を織り交ぜながら、書いていきます。

永方ゆか(ながえ ゆか)『ものさびしの、ハナ』(2012年3月11日、土曜美術社出版販売)

田川紀久雄『かなしいから』(2005年9月、漉林書房)

神谷恵(崎本恵)『採人点景(さいとてんけい)』(1995年11月、私家版)

坂井のぶこ『浜川崎から』(2012年5月、漉林書房)


その後に、言葉の歌である短歌と詩についての詩想を書いていきたいと思います。

☆ お知らせ ☆
『詩集 こころうた こころ絵ほん』は2012年3月11日イーフェニックスから発売されました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。

 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフェニックス・池田智子)はこちらです。絵と音楽と詩のコラボをぜひご覧ください。

    こだまのこだま 動画
  
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    Posted by 高畑耕治 at 00:10 │